カート離脱率を下げる6つの方法

皆さんはインターネットでお買い物をする時、とりあえずカートに入れてみたが買わなかった。
という事はありませんか?
”欲しいな”と思ったのに、なぜでしょう。
今回はカート離脱率について、考えていきたいと思います。

1.カート離脱率の世界的な数値とその理由について考える

そもそもカート離脱率って、世界的にどのくらいあるの?
下の表は、ドイツのネット統計サービス会社、Statista社が発表したレポート。
2016年1月から3月までの世界の地域別カート離脱率です。
これによると世界のカート離脱率は74.32%とかなり高い数値をマークしていることがわかります。
世界の地域別カート離脱率
ではなぜ、欲しいはずの商品をカートにまで入れたのに、買うことはしなかったのでしょう?
イギリスの決済サービス会社Worldpay社が2014年に実施した、カート離脱理由のアンケートレポートです。
(※無料で配布されています。コチラからどうぞ。)
カート離脱理由
カート離脱理由の第1位は、
『想定外の金額が表示されたから』
です。
送料でちょっぴり稼いじゃお・・・
という販売方法は大手ECモール内ではよく見かけます。
しかし、送料が思っていた金額より高い場合、お客様は商品購入を保留にします。
2位の、『ただ閲覧していただけ。』
5位の、『買うことをやめたから』
というのは置いておいて・・・
3位 『他に安いところを見つけたから』
4位 『全体的な価格が高い』
と金額に関する理由が上位を占めます。
6位 『サイトのナビゲーションが複雑』
8位 『買うまでの工程が長すぎる』
9位 『支払時のセキュリティチェックが多すぎる』
と思いきや・・・
10位 『セキュリティに不安を感じた』
11位 『配送時のオプションが不十分』
12位 『サイトのセッション時間切れ』
13位 『海外の通貨での金額が表示される』
14位 『自分の支払方法が拒否された』
後半になると、サイト自体の問題が挙げられてきます。
この事を踏まえて、カート離脱率を下げる方法を一つずつ考えていきましょう。

2.カート離脱率を下げる6つの方法

2-1.最終表示金額について見直す

送料は明確に表示されていますか?
カートに入れて、とりあえず手続きを色々と進めて、最後の最後にならないとお支払い合計金額がわからない。
なんて事になっていませんか?
カートに行ってから、想定外のお支払い合計金額が表示されてしまったら、カート離脱どころか、二度とあなたのショッピングサイトにいらっしゃることはないでしょう。
また、送料別の安い商品より、送料・消費税込みの金額提示をしている商品の方がカート離脱率が低いという事例や、送料無料にした商品の売り上げが90%も上がったという事例はたくさんあります。
ネットショップ運営会社において、配送料のコストは大きな課題点かと思います。
送料をどのように表示させるのか(商品代に含めるのか、別途で徴収するのか)考える必要があります。

2-2.カート保持期間システムの廃止

ある有名なアパレルショップのショッピングサイトで、カート保持期間(カートに商品を入れてから、その商品がお客様のカート内に入っている期間)がわずか60分という驚異的に短いショッピングサイトがあります。
私は60分を驚異的に短いと言いましたが、人によっては長いと感じる方もいるかもしれませんね。
ではなぜ私は驚異的に短い。と言ったのでしょう?
実際にそこで、買い物をしようとしたからです。
実店舗もたくさんあるのですが、その商品がオンライン限定だったのです。
カートに入れた瞬間から60分。
せっかくだから、他の商品も見て回って、カートに入れていざ購入。
出てきたページの上には、『あと¥1,040円のお買い物で送料無料。』と。
え!!じゃあ、¥1,040円分もう一回探してくるから、ちょっと待って!!と焦る私。
でも、さっき見て回ったから、他に欲しいものなんて・・・
焦りながらサイト内をグルグル。
しかもスマホだったから、1つのカテゴリーでも商品全部見るのにかなり時間がかかる。
やばい、どうしよう・・・60分経ってしまう・・・
ダメだ、焦りすぎて、何も決まらない・・・
もういいや、別にここで買わないきゃいけないわけでもないし、これ今すぐ買わないと困るわけでもないし・・・
そう。私はまさにカート落ちしたのです・・・
60分、あっという間でした。
結局何も買わずに終わり、あの60分は一体何だったんだ。。。
という、私が本当に経験した話です。
60分という時間制限が本当に必要だったのでしょうか?
また、別の大手ショッピングサイトでは7日間という所もあります。
一番お客様にとっていい状態は、カート保持期間を廃止して、そのままカートにいれておく事です。
いわゆる楽天方式です。
ただし、カートに入れただけでは商品の確保になっていないという事を、しっかりお伝えしておく事が重要です。

2-3.会員登録フォームをわかりやすく簡単にする

購入完了までの時間を短くする
特に新規のお客様だと、カートに入れてから購入が完了するまでに、会員登録や必要な個人情報の入力をしなくてはならない場合があります。
(この時、カートに入れた商品はそのまま保持されていますか?登録後に再度商品を探してカートに入れる所からやり直しさせていませんか?もはやカート離脱率以前の問題ですよ。)
カートに入れてから会員登録をするお客様にとって、購入完了までの時間が長くなる事は、カート離脱率が上がる原因になります。
会員登録は必要最低限の情報の入力に留めておきましょう。


入力エラーの修正のしやすさを考える
入力エラーの煩わしさもカート離脱の原因になります。
登録するボタンを押した次のページでの、入力エラー表示が出た時の残念感&がっかり感は、お客様の購買意欲を一気に下げます
出来るだけ、入力エラーはその場で表示し、その場で入力修正が出来るようにしましょう。


たまに見かける最悪なパターンをご紹介します。
これは私が実際に出くわした、残念なショッピングサイトの残念な登録事例です。参考までに。。。
◯携帯番号の入力の際、なぜか最初の0が入力できず、登録自体ができない。なので買えませんでした。
◯入力エラーです。のエラー箇所が分からない。
一体私の何がいけないのでしょう?探し当てるのに結構な時間を費やしました。(住所にハイフンを使っちゃダメだったのですね。ここら辺も改善の余地ありです。)
◯固定電話が必須事項。私、携帯しか持ってないんですけど。(実家の電話番号を勝手に借りました。)
◯文字認証の文字が本気で読めない。誰が作ってるんだろ・・・ハードルが高すぎる・・・5回目くらいでビンゴしました。
◯ジグソーパズル認証のパズルが移動できない。買えませんでした。
◯登録ボタン押す

入力エラー表示のページに行く

戻るボタンで戻る

さっき入力した事項が全てクリアになって、最初から再入力。。。

もうそんな気力、私には残されていませんでした。。。


要確認
このようなサイトに出会った時にちょっとだけ頭をよぎるのですが、、、
ここの会社、テスト購入してないのかな??
ショッピングサイトに限らず、何でもそうだと思うのですが、仕事って確認しますよね?
で、この煩わしさでOKが出るって、、、
当たり前のことですが、自社のショッピングサイトは必ず社員がテスト購入して、使い勝手を確かめましょう。
もちろんPC / スマホの両方からテストしてみてください。

2-4.セキュリティ面の不安を払拭する

欲しいものを見つけて、カートに入れた。
いざ、会員登録のページに進むと何だか怪しい雰囲気。。。
ここのページに自分の情報を入力して大丈夫なのだろうか・・・
いや、待て自分。軽々しく自分の情報を入力して、後々カード会社に連絡とかカードの停止とか面倒なことになるのは、ごめんだ。。。
ならば、似たような商品を楽天で探せばいいんだ!
あそこなら何だって売ってるはずだし、天下の楽天だから個人情報の取り扱いは万全なはず!
と、お客様を逃さない為にもショッピングサイトでは、お客様が感じる不安は全て払拭しましょう。
一番不安に感じるのはやはり、個人情報の入力時ではないでしょうか。
あなたの会社ではプライバシーポリシー以外に、個人情報を守る何かをやっていますか?
例えばPマークの取得または、セキュリティソフトの導入など。
セキュリティ証明書のロゴなど、サイト上に表示できるものは全て表示しましょう。
そして、個人情報をきちんと保護している事をお伝えしましょう。

2-5.配送オプション・支払い方法の種類を増やす

配送日時の指定や配送時間帯の指定が出来ないよりは、できた方がお客様にとっては好都合ですね。
不在通知を受け取って配送業者に連絡する手間が省けます。
また、支払い方法も豊富に選べた方がいいでしょう。
カードで支払いたい人もいれば、すぐに現金で支払いたいというお客様もいらっしゃいます。
その際、別途かかる手数料も明確に表示しておきましょう。

2-6.購入前確認画面を明確に表示する

ひととおり注文入力や配送先の入力が終わったら、注文を確定する前にその内容の確認をします。
ここが分かりづらい表示だったりすると、最後の最後でカートから離脱してしまいます。
ここに実際私が、最後の最後でカート離脱した注文確認ページを掲載します。
わかりづらいカート PC用
わかりづらいカート スマホ用
おそらく、フォームの手間を省きたかったのでしょうが、省くところを間違えています。
また、注文内容確認部分が分かりづらく注文する事自体に不安を感じずにいられません。
注文内容の確認は、分かりやすく単独のページ(画面)を表示したほうが、安心感も与える事ができ、信頼感も高まるでしょう。
シンプルで分かりやすい注文確認ページの例です。
分かりやすい注文内容確認ページ PC用
分かりやすい注文内容確認ページ スマホ用
自分が今回購入する商品の確認が一目でわかるような注文確認ページです。
安心して「注文を確定する」ボタンを押す事が出来ます。

まとめ

いかがでしたか?
自社のショッピングサイトを何回でもチェックして、カート離脱率を下げるためにできる事を調べてみましょう。
どんなに些細な事でも、大きな改善につながる事もありますよ♪