アクセス解析レポートとは?役立つおすすめツール8選!作成のポイントまで

Webサイトを運営するうえでアクセス解析レポートの存在は欠かせません。アクセス解析レポートは、Webサイトを通じて目標を達成するためのツールとして非常に重要な役割を担うからです。しかし、アクセス解析の重要性はなんとなくわかっていても、具体的にどのような項目に中止すべきかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、アクセス解析レポートの概要や目的・重要性から解説し、レポートでおさえておくべきポイントや注意点、おすすめの解析ツールについて紹介します。

アクセス解析レポートとは

アクセス解析レポートとは、Webサイトへのアクセス状況を記録・解析したレポートです。運営するWebサイトに対して、ユーザーがどのような流入経路でアクセスしているのか、日々どのくらいのユーザーが訪れているのか、などの状況を把握するために用いられます。

おもにアクセス解析は専用のツールを用いて自動的に行われます。解析結果をもとに必要な項目を抜き出したり、情報を組み合わせてより具体的な状況を把握したりするためにレポートとして出力することが多いでしょう。

アクセス解析レポートの目的と重要性

アクセス解析レポートは、運営しているWebサイトの現状を把握することを目的として活用します。例えば、想定通りに検索エンジンからの流入があるか、誘導したいページにユーザーがアクセスできているか、などもアクセス解析レポートを用いれば把握することが可能です。

アクセス解析は定期的に実施し、改善と効果測定を行なうことで効果を発揮します。Webサイトを通じて、商品の販促活動をしたい、集客したいといった目的を達成するために、アクセス解析レポートの結果をもとに改善と効果測定を繰り返すことが重要です。

Webサイトは一度作成したら終わり、というものではありません。目的に応じて、より効果的なWebサイトを作るためのツールとして、アクセス解析レポートは重要視されています。

アクセス解析レポートでおさえておくべきポイント

よりよいWebサイトを作るためには、アクセス解析で把握する必要がある項目が複数存在します。アクセス解析レポートを作成する際には、これらの項目をポイントとして記載することが重要です。また、これから紹介するポイントはWebサイト全体だけでなく、ランディングページ(LP)などの特定のページ単位でも解析することで、より効果的なWebサイトづくりに活かせます。

アクセス数

アクセス数はユーザーがWebサイトにアクセスした数ですが、その定義は大まかに3つに分けられます。

  • ユニークユーザー数:計測期間内に訪れたユーザーの数
  • セッション数:計測期間内に訪れたユーザーの訪問回数
  • PV3wea数:1セッションあたりのPV(ページビュー)の回数

例えば、Webサイトに対してユーザーAとユーザーBが2回ずつ訪問した場合、ユニークユーザー数は2、セッション数は4となり、PV数はそれぞれのセッションで何回ページが表示されたかを表します。アクセス解析レポートを作成する際には、解析したい内容に応じてこれらのアクセス数を使い分けることが重要です。

滞在時間

滞在時間はセッション時間とも呼ばれ、ユーザーがWebサイトに滞在している時間を表します。滞在時間が長いほどしっかりと見られていると判断でき、滞在時間が短いと人気がないと判断することが可能です。特にコンバージョンに直接つながるようなページの場合、滞在時間が短いと何かしらの問題があると判断できるため、滞在時間を伸ばすための改善が必要です。

直帰率

直帰とはユーザーがWebサイトにアクセスし、すぐに離脱することを表します。直帰率は「直帰セッション数÷全セッション数」で求められ、直帰率が高いとユーザーが求める情報を提供できなかったと考えられます。直帰率を下げるためには、ユーザーが求める情報を提供するだけでなく、さらに必要とする情報をWebサイト内で展開し、誘導する仕組みを作ることが重要です。

離脱率

離脱とはユーザーがWebサイトから離れてしまうことです。直帰と似ていますが、直帰は最初の1ページしか閲覧されていない場合に離脱することであり異なる指標であることに注意しましょう。離脱率は「離脱セッション数÷全ページビュー数」で求められ、ページ単位でチェックする項目です。離脱率が高いページは直帰率が高いページと同様にユーザーが求める情報を提供できていない場合が考えられます。

回遊率

回遊率はユーザーが一定期間内にページを閲覧する割合であり、「PV数÷セッション数」で求められます。回遊率は滞在時間や直帰率に影響を及ぼす項目です。回遊率が低いと直帰率が高くなり、滞在時間も短くなります。ユーザーがWebサイト内で目的とする情報にたどり着けるか、という回遊性の指標になります。

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率はセッションあたりのコンバージョンの割合であり、「コンバージョン数÷セッション数」で求められます。コンバージョンは商品の購入や問い合わせなどの最終アクションに該当するものです。Webサイトの目的が達成されているかどうかの指標であるため、特に重要性が高い項目といえるでしょう。

ユーザーの流入経路

ユーザーがどのような経路でWebサイトにアクセスしてきたか、という流入経路もアクセス解析では重要な項目となります。流入経路は検索エンジンだけでなく、各種SNSやEメール、ブックマークからのアクセスなど多岐にわたります。特にSNSからの流入は、検索エンジンからの流入と併せて重要視すべき項目であり、どのSNSからの流入が多いかを分析できれば、プロモーションに力を入れるべきSNSを把握することが可能です。

流入キーワード

検索エンジンからの流入経路では、どのようなキーワードで検索されてWebサイトにアクセスしてきたかを把握することも重要です。流入キーワードを分析すれば、ユーザーが何を期待してアクセスしているかを把握できます。SEO対策でも重要となる項目であり、検索エンジンからの流入では欠かせない項目の一つです。

アクセス解析レポートの作成方法(Googleアナリティクス4)

アクセス解析レポートは、アクセス解析ツールごとに作成方法が異なります。ここでは、特に利用頻度の高いGoogleアナリティクス4(GA4)での作成方法を解説します。

レポートのテンプレートからダウンロード

GA4では、アクセス解析で頻繁に必要とされる項目を取りまとめたレポートのテンプレートが用意されています。今回は、レポートのスナップショットからアクセス解析レポートを作成する手順を見てみましょう。

1.GA4にアクセスし、「レポート」を選択

2.画面中央の共有マークを選択し、「ファイルのダウンロード」を選択

3.PDFもしくはCSV形式でダウンロードする

レポートのスナップショットだけでなく、ユーザーの流入経路をチェックするための集客→ユーザー獲得や、ユーザー属性なども選択できます。アクセス解析レポートとして必要な項目を探し、ファイル化してダウンロードしましょう。

データ探索からカスタムレポートも作成可能

GA4のレポートは予め用意されたテンプレートしか存在せず、詳細なレポートは作成することが難しいでしょう。レポートの内容を自由にカスタマイズし、詳細なレポートを作成したい場合には「データ探索」からレポートを作成します。

具体的なデータ探索の利用方法や作成できるレポートの種類などについては、こちらの記事を参照ください。

参照GA4(Googleアナリティクス4)の探索とは?設定方法や使用する際の注意点

データ探索によって作成したカスタムレポートも、テンプレートのレポートと同じようにファイル化してダウンロードすることが可能です。

1.GA4にアクセスし、「探索」を選択

2.作成済の探索レポートを選択

3.エクスポートボタンを選択し、出力するファイルのタイプを選択する

※この時選択可能な出力タイプは、レポートの「手法」によって異なります

データ探索であれば、詳細なセグメントの比較やフィルタリングなども利用できるため、より柔軟なアクセス解析レポートが作成できます。

アクセス解析ツールの種類

後におすすめのアクセス解析ツールを紹介しますが、その前にアクセス解析ツールには3つの種類が存在することを覚えておきましょう。多くはWebビーコン型のアクセス解析ツールを利用することになりますが、利用用途や目的に応じてその他の種類を選択することもあります。

Webビーコン型

ユーザーのアクセス情報を取得する目的で開発されたものであり、Webページにトラッキングコードを埋め込む方式です。ユーザーがWebサイトにアクセスするたびにコードが実行されてアクセス情報が送られます。Googleアナリティクスなどの多くのアクセス解析ツールがWebビーコン型を採用しており、リアルタイムのデータ収集やヒートマップなどの詳しい解析が可能です。Webビーコン型はコードが実行された後にアクセス解析ツールに情報を送信する仕組みであるため、計測漏れが発生する可能性がある点は覚えておきましょう。

サーバーログ型

おもにサーバーのアクセスログをもとにアクセス解析を行なうものであり、Webサーバー上に専用の装置(ソフトウェア)を導入する方式です。Webビーコン型のようにリアルタイムの収集などは行えませんが、アクセスログさえ残っていれば過去のアクセス解析も行えます。アクセスログのなかからWebブラウザに関する情報を抽出して解析する仕組みであるため、計測漏れはほとんどありませんがユーザーの判別を苦手としています。

パケットキャプチャ型

パケットキャプチャ型はWebサーバー上、またはWebサーバーにアクセスするネットワークの経路上に専用の装置(ソフトウェア)を導入し、ネットワーク上を流れるパケットを解析する方式です。Webビーコン型と同じようにリアルタイムに計測でき、パケットをそのまま利用するためテキスト情報だけでなく、画像や音声ファイルなども個別に計測可能です。

アクセス解析レポートの作成に役立つツール8選

アクセス解析ツールは有料のものから無料のものまで多種多様であり、解析の目的に応じて使い分けることが重要です。そんな多くのツールのなかからおすすめのものを8個選んで紹介します。

Googleアナリティクス4(GA4)

Googleアナリティクス4はこちら

Googleが提供するアクセス解析ツールであるGoogleアナリティクスは、アクセス解析においてなくてはならないツールの一つです。無料で使える高機能なアクセス解析ツールとして、個人・企業を問わず多くのユーザーが利用しており、活用するための情報も多く最も利用しやすいツールといえるでしょう。Googleアナリティクスは2023年7月1日以降に従来のツールであるユニバーサルアナリティクス(UA)が廃止され、Googleアナリティクス4(GA4)への移行が進んでいます。

参照GA4(Googleアナリティクス4)とユニバーサルアナリティクスの違いとは?【初級編】

Googleアナリティクス360

Googleアナリティクス360はこちら

Googleアナリティクス360(GA360)は、無料で利用できるGoogleアナリティクスの有料版です。大規模なデータ処理を得意としており、データ反映までの時間が4時間ほどと非常に高速である点が特徴です。GA4よりも高性能であるため、より大規模かつ高機能なアクセス解析ツールが必要な際の選択肢となります。

Google Search Console(サーチコンソール)

Google Search Consoleはこちら

Webサイトに関する検索について分析を行うためのツールであり、流入キーワードの把握や検索キーワードの順位などが確認できます。無料であるため、Googleアナリティクスと併せて利用されることが多く、SEO対策では欠かせないツールの一つです。

Googleデータポータル

Googleデータポータルはこちら

GoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleと連携し、アクセス解析レポートを作成するためのツールです。すべてがGoogle製のツールであるためデータの共有性が高く、一度レポートの項目を設定すれば自動的に作成されます。アナリティクスやサーチコンソールを使って定期的にレポートを作成している場合には、ぜひとも活用したいツールです。

Similar Web

Similar Webはこちら

Similar Web(シミラーウェブ)は、競合他社のアクセス状況を把握するためのツールです。世界規模でWebサイトの分析ができ、自社Webサイトに対する競合を見つけて分析することで、競争優位性を獲得するために用いられます。無料でも利用可能ですが制限が多いため、本格的にアクセス解析に用いる際には有料版への切り替えを検討するとよいでしょう。

Juicer

Juicerはこちら

Juicer(ジューサー)は無料のユーザー分析DMPです。DMP(Data Management Platform)は、Webサイト上のデータを収集・管理して分析や施策の検討に活用する仕組みです。Juicerを活用すれば、自社Webサイトに訪れるユーザーの興味・関心を明らかに、正確なペルソナを作り上げることができます。

User Insight

User Insightはこちら

Webサイトに訪れたユーザーがページのどの部分を集中してみているのか、という部分を可視化する「ヒートマップ」を搭載したアクセス解析ツールです。ヒートマップは視覚的にユーザーが注視する箇所やクリックする箇所を把握でき、ここまでに紹介したツールとは異なる観点からのアクセス解析を実現できます。

DeeBoard

DeeBoardはこちら

DeeBoardはECサイトのアクセス解析レポート作成に特化したツールです。Googleアナリティクスをベースにアクセス解析レポートが作成され、専門知識がなくとも見やすくわかりやすいレポートが作成できます。商品別の販売状況を時間・年齢・デバイスなどの属性別に確認することもでき、ECサイトの売上促進に活用できるツールです。

専門知識不要!無料の「サイト調査レポート」を活用しませんか?

ここまでに複数のアクセス解析ツールを紹介しました。しかし、アクセス解析ツールは解析のために必要な情報をまとめるための機能であり、その内容をもとに分析を行なうためには専門的な知識が必要です。また、解析内容として盛り込む項目や比較対象物の選定なども、専門知識と併せて経験も必要になるでしょう。

そこで、弊社では専門知識を必要とせず、Webサイトの効果を挙げるための調査レポートを作成しています。調査レポートは「オーガニック検索」「トラフィック調査」「バックリンク調査」など、現状のWebサイトの状況をわかりやすくまとめて今後の対策をアドバイスするサービスです。

Webサイトの効果向上に向けたアドバイスを無料で提供するサービスですが、ひと月10社までの限定サービスとなっています。Webサイトの運営についてお悩みの場合や、今後の効果的な取り組みなどを知りたい場合には、ぜひサイト調査レポートを活用してみませんか?

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まとめ

Webサイトへのアクセス状況を記録・解析したレポートであるアクセス解析レポートは、Webサイトの現状を把握してより良いサイトづくりに欠かせない要素です。「Webサイトの効果を上げたい」という場合には、はじめにアクセス解析レポートの作成に取り組むべきといえるでしょう。

アクセス解析レポートを作成するためのツールは無料で利用できるものも多く存在しますが、使いこなすためには専門的な知識が必要となります。専門的な知識がない場合には、有料のレポート作成ツールを利用したり、無料で利用できる弊社のサイト調査レポートを活用したりしましょう。