カリギュラ効果とは?【しちゃだめ】をマーケティングに活かす方法

「絶対に開けないで」など禁止されると逆にやってみたくなる、このような心理的現象をカリギュラ効果と言います。人はなぜ禁止されると反対の行動をしてしまうのか?
そんなカリギュラ効果についてまとめてみました。

カリギュラ効果とは?

カリギュラ効果(心理的リアクタンス)とは行動心理学における法則で、禁止や限定をされるとかえってその事が気になってしまうという現象です。1980年にアメリカで放映された『カリギュラ』という映画で過激なシーンが多くボストンでは放映禁止となりましたが、逆に人々の興味を惹き映画は大ヒットになった事がカリギュラ効果の名前の由来となっています。

【閲覧禁止】と言われると見たくなるカリギュラ効果

日本でも古くから、機織り中に覗いてはいけないと言われ覗いてしまう『鶴の恩返し』や開けてはいけないと言われていた玉手箱を開けてしまう『浦島太郎』など「絶対に〇〇してはいけない」を破ってしまう物語は幾つもあります。日本だけでなく、世界各国で神話や童話などにも似たようなお話が幾つもあります。人間は、一定の制限や禁止をかけられると自由を奪われた事にストレスを感じてしまいます。その反動から言われた事と逆の行動をとってしまうという心理的メカニズムなのです。

カリギュラ効果を実生活で活用する方法

日常生活の中にも様々なカリギュラ効果を利用した場面があります。身近なところにもたくさんあるので皆さん何度も目の当たりにしたり、体験しているかもしれません。

恋愛

例えば好きな人との電話やメール、デートなど少しでも長く話したい、一緒に居たいと思いますよね。そこをあえて自分から終わらせてみるのです。相手に後ろ髪をひかせる事でもっと話したい、一緒に居たいと思わせる事が出来るのです。また、相手と秘密を共有する事も効果的です。不倫などはまさにカリギュラ効果がもたらした恋愛と言えます。

ダイエット

ダイエットをした事がある人は必ず1度は失敗した経験があるかと思います。それは、もしかしたらカリギュラ効果によるものだったかもしれません。
「甘いものは食べてはだめ」「〇〇カロリー以上は摂ってはいけない」など禁止すると余計に食べたくなってしまう為、ダイエットが失敗しやすい傾向にあります.
禁止ではなく、「甘いものは週に1回にする」やチートデイを作るなどすると食べ過ぎを抑える事が出来るかもしれません。

ビジネス

「1日限定20杯のラーメン」「期間限定販売」などの数量限定のお店はあえて、その数以上売らないとする事で買いたくても買えない状況を作り出しています。これも一種のカリギュラ効果を狙ったものです。同様に、会員制のバーやレストランもあえて入店制限を設ける事で禁止の状態を作り人々の興味を惹くビジネス戦略と言えます。

禁煙

禁煙は「吸ってはいけない」と強めの禁止から始める人が多いのですが、これもダイエットと同じく禁止すればするほど、かえって吸うことに意識が集中してしまい結果失敗に終わってしまう事がほとんどです。飴を舐めるやお茶を飲むなど代わりに何か行うようにし、吸ってしまっても何度も禁煙にチャレンジする事が大事です。

カリギュラ効果をwebサイトへ応用する方法

カリギュラ効果は人の興味を惹きやすい心理現象です。webマーケティングにおいても広く活用され、使い方によってはターゲットを絞ったwebマーケティングが可能です。
では、幾つか例を見ていきましょう。

見ないで下さいを使った広告

「痩せたくない人は絶対に見ないで下さい」などと謳ったダイエットサプリやグッズの広告を良く目にする事はありませんか?これは、商品に興味がありそうな痩せたい人にニーズを絞り、禁止する事で見たい欲求を駆り立てられる、カリギュラ効果を存分に使用した注目を得やすいキャッチコピーです。

「続きは会員登録後」など見るための障害

他にも携帯で漫画を読んでいたりすると「続きは会員登録後」など気になるところで読めなくなったりします。会員登録をしないと続きが読めないといった障害を設ける事で利用者の欲求を刺激する事になり、会員登録者を増やす事が出来ます。

デザインへ活かす3箇条

Webデザインへカリギュラ効果を活かす場合は以下の3つのポイントがあります。ポイントを押さえて有効活用してみましょう。

  1. 禁止されればされるほどやりたくなる人間心理を利用する
  2. 禁止や制限のハードルを高くしすぎない。期待に応えられない場合逆効果になる。
  3. カリギュラ効果はあくまでも興味を持たせる為の導入であり、アフターフォローが重要

カリギュラ効果を使用するための注意点

3つのポイントの中にはカリギュラ効果の注意点が含まれています。

禁止のハードルが高すぎる場合は、やる気が失われて興味を持ってもらえない場合もあります。少しの努力で越えられるくらいの禁止や制限にする事が大事です。また、禁止や制限をされたにも関わらず、その理由が明らかにならない場合、もしくは得られた情報が期待外れだった場合、禁止された側はストレスや不満を感じ、かえって悪い印象を与えてしまう事になります。

まとめ

今回はカリギュラ効果についてご紹介しました。カリギュラ効果とは、禁止や制限をされ抑圧されると、ストレスや反抗心からついやってみたくなるという心理現象です。

日常のあらゆるシーンで目にし、知らない間にカリギュラ効果を引き起こしています。

webマーケティングにおいても上手く活用すればユーザー獲得へ役立てることが可能です。デザインで活かす3箇条を意識して是非活用してみてください。