エスカレーター効果とは?ビジネス・Webマーケティングへの活かし方

止まったエスカレーターを昇ったりまたは降りたりした時に目が回るような感覚や、足が重く感じたりした事はありませんか?

これらは、いつもと同じだと思っていた事が突然違う状況になった事で起こる違和感から生じるものです。

今回はそんな潜在意識がもたらす違和感、エスカレーター効果についてお話します。

エスカレーター効果の原因は?

そもそも、なぜ止まったエスカレーターを昇ると、このような不思議な現象が起こるのでしょうか?

人間の脳は意識的に判断する場合と、自動的に判断する場合があります。エスカレーターは動くものと自動的に脳が判断し体がバランスを取ろうとする事と実際には止まっているエスカレーターとの間にギャップがあるために違和感が起こります。

エスカレーター効果の違和感は悪いことではない

通常、人は違和感を覚えることにネガティブなイメージを持ちやすいですが、実はそんなに悪いことではありません。例えば、強面の人が動物や子どもに優しかったり、ギャルだけど頭が良かったりすると印象にも残りやすく興味を持たれます。更には良いイメージに変換させる事が可能です。この様に、良いギャップを与えることはビジネスにおいてとても有効な手段と言えます。
では次はビジネスシーンでのエスカレーター効果について説明して行きましょう。

エスカレーター効果のビジネスでの使い方

エスカレーター効果をビジネスで使用する場合、相手の考えを読み取りその考えとは違う言葉や行動を取る必要があります。相手の期待を良い意味で裏切る事が重要なポイントです。

安くて良い商品を販売する

100円ショップで買った品物がとても長持ちしたり、使い勝手が良かったりすると、安いものは粗悪品と思っている消費者の無意識のイメージを良い意味で裏切る事になります。また「次に買う商品も良いものかもしれない」と購入した人は期待をしやすくなり次回の購入にも繋がる事になります。

営業マンに売り込まれない

普通営業マンであれば商品の購入を勧めてくると考えますが、「お客様には使いにくいと思うのでお勧めしません」と想定していたセールストークとは真逆の言葉を言われると良い意味で期待を裏切られたと感じます。「この人は本音で話しているから信頼できそう」と営業マンに対する好感度が上がりお客様からの信頼を得やすくなります。

契約後にサービスをする

商品を購入する側も営業マンも「買ったらおしまい」と思っている事が多いですが、営業マンから購入後のサービスやアフターフォローがあると「買ったらおしまい」のイメージが覆され、ここでもまた良い意味で期待を裏切る事になります。購入後も定期的に相談にのったり、アドバイスをしたりする事で更なる信頼関係を築く事が出来ます。

自社製品の悪い所を伝える

エスカレーター効果のギャップを狙った場合、商品のデメリットをあえて伝える事も有効です。「商品の悪い所は言わないだろう」と誰もが思いますが、営業マンからデメリットを言われると買い手側は想定外の事を言われ驚くはずです。良い意味で裏切られる事で印象に残りやすく、正直に話す事で信頼を得る事が出来ます。

エスカレーター効果をWebサイトへ応用しよう

Webサイトでもエスカレーター効果を応用して違和感を与える事が出来ます。上手に使用すればユーザーの記憶に残りやすいサイトを作る事が可能です。

サンキューレターを活用

ネットで買い物をする場合、人と接する事なく商品を購入する事が出来ますが、もし届いた商品に手書きのメッセージが付いていたらどう思うでしょうか。

機械的なやり取りで終わると思い込んでいるところに手書きのメッセージを送る事で親しみを感じユーザーに良いイメージを与える事が出来ます。

デザインで演出する違和感

例えば、本の内容が記載されたサイトで通常はクリックし次のページやリンク先にとんだりするところを、スワイプに変更する事で実際に本を読んでいる時と同じような動作にしているものがあります。UI(ユーザーインターフェイス)やデザインのテイストを変える事で、ユーザーを惹きつける事が出来ます。

※UI:サイトのデザイン、レイアウトなど見た目の事。また操作や機能性などの使いやすさという意味も含まれます。

デザインへ活かす3つのポイント

エスカレーター効果を有効にデザインへ活かすには以下の3つが大きなポイントになります。

  1. 相手に好感を与える違和感とは良い意味で期待を裏切ること。
  2. 奇抜すぎるとユーザービリティを損なうので気をつける
  3. 全く違うのではなく、通常よりも少し変化があるくらいがベスト

エスカレーター効果使用時の注意点

エスカレーター効果は、受け手によって違和感が不快に変わる可能性があるので注意が必要です。

色が違う文字や下線が引かれている文字をクリックしたけれどリンク先に行けなかったり何もなかったりした場合、意図してデザインしたとしてもユーザーからはただの使い勝手の悪いサイトになってしまう事もあります。

ショッピングサイトの買い物カゴの様に誰でもわかりやすいデザインに全く違う意味を持たせたりすると違和感だけではなくユーザーが混乱してしまうでしょう。

まとめ

エスカレーター効果は当たり前だと思っていることがそうでは無くなる時に起こる違和感という事を解説しました。

良い意味でユーザーの期待を裏切る事が出来れば印象に残りやすいためビジネスでは大きな武器になるでしょう。是非エスカレーター効果を活用してみてください。