従来のユニバーサルアナリティクス(UA)では、レポートの項目に「直帰率」が存在していました。直帰率を確認することで、ユーザーの検索意図を満たすことができているか、などの確認ができましたが、GA4では直帰率が確認できないとして話題になりました。
しかし、2023年現在のGA4では直帰率が確認できるようになっています。ただし、UAの直帰率とは意味合いが変わっているため注意が必要です。この記事では、GA4における直帰率の解説と併せて、UAとの違いやGA4で直帰率を確認するための方法を解説します。
GA4でも2022年6月以降に直帰率は確認可能となった
GA4は2023年7月1日にサポートが終了するUAの後継として、2020年10月にリリースされた新しいGoogleアナリティクスです。2023年現在、GA4では探索レポート・標準レポートで直帰率を確認することができます。
そもそも、GA4のリリース当初に直帰率が確認できなかった理由としては、UAとGA4の計測対象の違いが挙げられます。UAはWebサイトの計測を主としていましたが、GA4はWebサイトに加えてアプリの分析も行えるようになりました。その際、従来の直帰率はWebページの閲覧にのみ注目した指標であったため、リリース当初は指標として組み込まれていなかったと考えられています。
UAでは多くのユーザーが直帰率を参照していたことから、GA4でも直帰率を欲するユーザーが多く、2022年6月のアップデートによりGA4で直帰率が確認できるようになりました。
UA(ユニバーサルアナリティクス)とGA4の直帰率の違い
GA4にも直帰率が指標として組み込まれましたが、UAの直帰率とは考え方が異なるため注意が必要です。両者の違いを理解するために、それぞれの考え方・計測方法の違いを見ていきましょう。
UAにおける直帰率の考え方
UAにおける直帰率は「1ページのみのセッション数をすべてのセッション数で割った値」と定義されています。つまり、検索サイトなどからWebサイトに辿り着き、入口となったWebページ以外を閲覧することなく去ったセッション数を全体で割った値です。
このとき、入口となったWebページに対する滞在時間などは考慮されていません。そのため、数秒でページから離脱しても、時間をかけてすべての内容をチェックした後に離脱しても、直帰としてカウントされてしまいます。
GA4における直帰率の考え方
GA4における直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」です。エンゲージメントとはユーザーの特定の行動を示す概念であり、GA4で初めて登場しました。直帰率に関係する具体的なエンゲージメントとしては、次の3つが挙げられます。
- 10秒を超えて継続したセッション
- コンバージョンイベントが発生したセッション
- 2回以上のページビューやスクリーンビューが発生したセッション
これらのいずれかに該当するセッションは、入口となるWebページだけをチェックして離脱しても直帰としてはカウントされません。
GA4の直帰率とエンゲージメント率の違い
GA4では先にエンゲージメントの概念が存在しており、エンゲージメントに基づいて直帰率が算出されています。先程解説したとおり、直帰率の考え方がUAとは異なる理由は、エンゲージメントの概念の有無にあります。
直帰率、エンゲージメント率の関係は次のとおりです。
- 直帰率=1-エンゲージメント率
- エンゲージメント率=1-直帰率
UAにおける直帰率は、捉え方によってポジティブにもネガティブにも取れる点が課題とされていました。例えば、製品販売のランディングページに対して、最初から最後まで読まれた上でコンバージョンが発生していたとしても、そのままページを離脱すると直帰としてカウントされてしまいます。
多くの場合、直帰率が高いということはユーザーの意図を満たせなかった、と捉えられます。しかし、前述の例のように、ユーザーの意図を満たしているにもかかわらず、直帰率には反映されていない、ということも発生していたのです。
その点、GA4ではエンゲージメントの概念が導入されたことにより、このような問題が発生しづらくなっているといえるでしょう。
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GA4で直帰率を見る方法
GA4で直帰率を確認したい場合、標準レポートや探索レポートの指標に「直帰率」を追加するだけで確認できます。ここでは、標準レポート・探索レポートそれぞれにおける直帰率の確認方法を見ていきましょう。
標準レポートで直帰率を見る方法
標準レポートでは、「ページとスクリーン」のレポートから直帰率を確認できます。
「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を選択し、画面右上の鉛筆マークを選択してレポートのカスタマイズを行います。
レポートのカスタマイズ画面で「指標」を選択してください。
指標から「指標を追加」をクリックし、「直帰率」を選択します。
指標は上から順に表示されるため、適当な位置に直帰率の指標を移動させ、「適用」ボタンをクリックします。
ページ下部の表を確認すると、直帰率が表示されるようになりました。
カスタマイズしたレポートは「保存」ボタンから保存できます。
新しいレポートとして、任意のレポート名を入力して保存ボタンをクリックしてください。
保存したレポートは「レポート」→「ライブラリ」から参照できます。
探索レポートで直帰率を見る方法
探索レポートでも標準レポートと同じように指標を追加することで確認できます。
「探索」からレポートを新規作成してください。今回は「自由形式」を選択して先に進めます。
「変数」のタブから指標の「+」マークをクリックします。
指標の中から「直帰率」にチェックを入れてインポートしてください。指標は非常に多いため、検索をかけて探すことをおすすめします。
追加された直帰率の指標を「タブの設定」配下の「値」の欄にドラッグ&ドロップしてください。右側の表に直帰率の欄が追加され、確認することができます。
探索レポートは自由度が高いレポートであるため、「行」「列」「セグメント」などを使ってより細かくカスタマイズすることも可能です。
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GA4の直帰率を見る際の注意点
GA4で直帰率を確認する際には、UAに比べて値が低くなりやすい点に注意してください。
ここまでに解説してきたとおり、UAの直帰率は「1ページのみのセッション数をすべてのセッション数で割った値」であり、GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」という違いがあります。GA4ではエンゲージメントとしてカウントされる条件が複数あることから、UAと比べると直帰としてカウントされづらくなっています。
そのため、多くのWebサイトでUAと比べるとGA4の直帰率は低くなるという点は覚えておきましょう。UAとGA4では直帰率に関する考え方・計測方法が異なっているため、単純に比較すると誤った結果を導いてしまいかねません。
まとめ
長年UAで利用されていた直帰率は、2023年現在ではGA4でも確認することが可能です。しかし、UAとGA4では直帰率に関する考え方や計測方法が異なっている点には注意しましょう。それぞれのレポートを正しく見るためには、指標がどのように計測されているかを理解しておくことが重要です。
この記事では、UAとGA4における直帰率の違いと併せて、GA4での直帰率の確認方法も解説しましたので、ぜひこれらを参考にレポートの作成に活用してみてはいかがでしょうか。
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