GA4（Google アナリティクス4）のコンバージョンの基本！設定・解析方法、計測されない場合の対処法まで｜株式会社シーズ・クリエイト｜WEB制作・マーケティング

コンバージョンとはユーザーが目標とするアクションを起こした状態のことであり、旧Google アナリティクス（UA）から最新のGA4でも設定することが可能です。ただし、UAとGA4ではコンバージョンの考え方が異なるため注意する必要があります。

この記事では、GA4におけるコンバージョンの基本的な知識と併せて、設定方法や解析方法、計測されない場合の対処法などを解説します。

GA4（Googleアナリティクス4）とは？

GA4はGoogleが提供するアクセス解析ツールであり、2020年10月に旧Google Analytics（UA）の後継バージョンとしてリリースされました。UAは2023年7月にサポートが終了することが決まっているため、徐々にGA4への移行が進んでいます。

GA4の基本的な情報について詳しく知りたい方は、次の記事もおすすめです。

GA4のコンバージョンの基本

GA4でコンバージョンを設定する際には、基本知識として次の4つの項目について理解しておくとよいでしょう。

GA4のコンバージョンはすべて「イベント」として計測する

UAと違い、GA4のコンバージョンはすべて「イベント」として計測されます。UAではコンバージョンの種類として「到達ページ」などが存在していましたが、計測方法が異なるため設定の考え方も異なることを覚えておきましょう。

例えば、UAではThanksページのURLを指定して計測していたものが、GA4では「ページビューとしてイベントを指定」→「Thanksページを指定」というような流れに変わります。

GA4イベントの種類

GA4には次の4つのイベントが存在します。

自動的に収集されるイベント（自動収集）
測定機能の強化イベント（自動収集）
推奨イベント（手動設定）
カスタムイベント（手動設定）

可能な限り自動収集の2つのイベントを利用し、足りない場合に推奨イベントやカスタムイベントを利用することが推奨されています。

イベントの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

参照GA4（Google アナリティクス4）のイベントとは？設定方法やUAとの違いを徹底解説

30個までコンバージョンを設定できる

GA4のコンバージョンは、1つのプロパティにつき30個まで設定できます。GA4では重要なイベントをコンバージョンに設定することが重要になるため、UAからの以降の際にはコンバージョンに関する項目を棚卸しし、必要な設定のみを残すように気をつけましょう。

GA4はUAよりCVが増える傾向にある（2022/09時点）

GA4ではイベントが発生するたびにカウントされるため、コンバージョンが増える傾向にあります。UAでは1回のセッションで複数回目標が達成されても1回とカウントしていましたが、GA4ではボタンがクリックされた際などのイベントが発生するたびにカウントされます。

GA4のコンバージョン設定方法

ここからはGA4のコンバージョン設定方法について、画像を用いて解説します。

コンバージョン設定の簡単なステップ

全体的なコンバージョン設定のステップは次のとおりです。

事前準備（ページの作成）
イベントの設定
イベントをコンバージョンとして有効化
コンバージョンの確認

実際にGA4のコンバージョン設定を行う前に、前準備として2種類のページを用意する必要があります。

コンバージョンのアクションを取るためのページ
アクション後に表示されるページ

例えば、資料請求をコンバージョンとして設定する場合には、お問い合わせがアクションを取るためのページ、問い合わせごとのThanksページがアクション後に表示されるページになります。2つのページがきちんと遷移できるか確認しておきましょう。

コンバージョン（イベント）設定方法は2パターン

コンバージョンの設定方法はGA4の管理画面から行う方法と、Googleタグマネージャーを利用する2つのパターンがあります。計測する対象がページビューなどのシンプルな場合には、GA4の管理画面から設定するとよいでしょう。

UAでGoogleタグマネージャーを使用している場合や、タグ設定を用いて一元的な管理を実現したい場合などはGoogleタグマネージャーを利用するとよいでしょう。Googleタグマネージャーは設定の自由度が高く、無料で利用できることからGoogleタグマネージャーを利用することをおすすめします。

GA4の管理画面上でのコンバージョン（イベント）設定方法

GA4の管理画面上からコンバージョンを設定する場合には、新規にイベントを作成してコンバージョン設定する方法と、自動で計測されているイベントをコンバージョン設定する方法の2パターンから選択できます。

新規にイベントを作成してコンバージョン設定を行う場合には、はじめにイベントを作成します。「設定」→「イベント」→「イベントを作成」と遷移してください。

イベントの作成画面からカスタムイベントの「作成」ボタンをクリックします。

カスタムイベント名はわかりやすい名前をつけましょう。重要となるものは「一致する条件」ですが、今回は次のように設定しています。

パラメータ	演算子	値
event_name	次と等しい	page_view
page_location	次を含む	/thankspage/

パラメータ「event_name」で指定する値は、Googleが提供するイベントの名前と一致するものを指定します。詳しくは「[GA4]測定機能の強化イベント」を参照ください。ここでは、ページが見られた場合を計測したいため「page_view」を入力しています。

もう一つの条件として、ページの場所を指定します。指定している「/thankspage/」は、コンバージョンアクションを行った後に表示されるページです。この時、演算子を「次を含む」に変更している点に注目です。

この2つを組み合わせて「/thankspage/が含まれるページが見られたら」という条件のイベントが作成できます。

「作成」ボタンをクリックすると画面が遷移し、新たにイベントが作成されました。

自動で計測されているイベントをコンバージョン設定する方法は、該当のイベント横にある「コンバージョンとしてマークを付ける」をクリックするだけです。マークがついている場合には青色になります。

先ほど作成した新しいイベントはデフォルトで「コンバージョンとしてマークを付ける」が有効になっている状態です。ただし、イベント画面に反映されるまでには、作成してから数時間～1日程度かかります。具体的な設定の確認方法は後ほど解説しますので、まずは設定だけ済ませておきましょう。

Googleタグマネージャーを使ってのコンバージョン（イベント）設定方法

Googleタグマネージャー上からでもGA4のイベントを作成できます。GA4の計測タグが設定済みであることが前提条件です。

Googleタグマネージャーでコンバージョンイベントを作成するためには、「タグ」→「新規」を選択します。

タグ名、タグの種類、設定タグ、イベント名を設定します。

項目	説明
タグ名	Googleタグマネージャー上での管理名
タグの種類	「Googleアナリティクス：GA4イベント」を選択
設定タグ	GA4の計測用タグを指定
イベント名	GA4上のイベント名を入力

タグの設定が終わったら、次のトリガーを設定します。トリガーは計測のきっかけとなる条件です。

新規にトリガーを作成したいため、画面右上の「＋」マークをクリックします。

トリガー名を入力後、トリガーのタイプと発生場所を選択します。

項目	説明
トリガーのタイプ	ページビュー
トリガーの発生場所	一部のページビュー

一部のページビューの設定としては、GA4上でイベントを設定する際と考え方は同じです。トリガーの変数として指定する「Page Path」と「Page URL」は似ているため注意しましょう。

項目	説明
Page Path	URLのパスを指定（ex：/thankspage/）
Page URL	完全なURLを指定（ex：https://example.com/thankspage/）

その後、トリガーの保存、タグの保存を行います。

作成したタグはGoogleタグマネージャーから「公開」することでGA4に設定が反映されます。最後にGA4上でイベントの「コンバージョンとしてマークを付ける」をオンにして完了です。

UAのコンバージョン設定をインポートする方法

UAからGA4へコンバージョン設定をインポートすることも可能です。インポートする際には次のことを覚えておきましょう。

前提条件としてUAとGA4が接続されていること
UAのコンバージョンのタイプが「到達ページ」「イベント」のもののみインポート可能
「到達ページ」「イベント」で正規表現を使用していないこと

はじめに、UAにアクセスして「管理」→「GA4設定アシスタント」を開きます。画面上に「接続済み」と表示されていることを確認してください。

接続が確認できたら、GA4にて「管理」→「設定アシスタント」→コンバージョンを設定の「＞」→「ユニバーサルアナリティクスからインポート」を選択します。

インポート可能なコンバージョン設定が表示されるため、対象を選択して「選択したコンバージョンをインポート」ボタンをクリックします。

イベントの作成画面を確認すると、設定がインポートされていることが確認できます。

また、コンバージョンタイプが「イベント」のものは、コンバージョンイベントの画面で「コンバージョンとしてマークを付ける」が自動的にオンになっています。

コンバージョン（イベント）設定ができているか確認しよう

イベントの作成直後は、イベントの一覧画面に新規に作成したものは表示されません。イベントが正常に動作しているかどうかは、実際に対象のURLにアクセスした上で「レポート機能」の「リアルタイム」から確認します。

今回は「/thankspage/」を含むページビューが対象となるため、イベントのテスト送信として該当URLにアクセスします。アクセス後数分待つと情報が更新されるため、ページをスクロールして「イベント数（イベント名）」の項目を確認してください。

先ほど作成した「資料請求CV」のイベントが表示されています。このように作成したイベント名が表示されていれば設定は問題ありません。

イベントの動作が確認できたら、「コンバージョン」→「新しいコンバージョンイベント」を選択してコンバージョンイベントを作成しましょう。この時、指定する新しいイベント名は、先ほど作成したイベント名と同じものにします。今回の例では「資料請求CV」です。

GA4のコンバージョン確認・分析方法

設定したコンバージョンはレポートや探索機能から確認できます。分析する際に見ることの多い項目を3つ紹介しますので、一つずつ見ていきましょう。

コンバージョン数の確認方法

コンバージョンごとの数を確認したい場合は、「レポート」→「エンゲージメント」→「コンバージョン」から確認できます。

流入経路別でコンバージョン数を確認する方法

流入経路別でコンバージョン数を確認する場合には、「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を確認します。表示される表を右側にスクロールすると、コンバージョン数が確認可能です。

セッションのチャネルだけでなく、メディアや参照元、キャンペーンなどごとに見ることもできます。加えて、コンバージョンごとに流入経路を確認することもできるため、組み合わせて分析を行いましょう。

コンバージョンが発生したページを確認する方法

複数のページでコンバージョンが発生する場合には、「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」から発生したページを確認できます。表を右にスクロールすることでコンバージョンの数を確認するとともに、コンバージョンを指定すればコンバージョンごとの発生ページを確認可能です。

コンバージョンが計測されない場合の対処法

コンバージョンの設定は難しい部分もあるため、「うまく計測できない」ということも珍しくありません。コンバージョンが計測されない場合の代表的な対処法を解説しますので、一つずつチェックしていきましょう。

コンバージョン設定に誤りがないかチェック

まずはコンバージョンの設定に誤りがないかもう一度チェックしましょう。イベントの設定で指定するパラメータ・演算子・値をそれぞれ確認します。大文字・小文字を区別するようになっていたり、演算子の使い方が間違っていたりする可能性があります。GA4ではイベントを中心に確認し、Googleタグマネージャーを利用している場合にはタグやトリガーの設定を見直しましょう。

GA4タグが設定されているかチェック

GA4はUAとはタグが異なります。GA4タグをサイトに設置してはじめてGA4での計測が開始されるため、計測対象のサイトに正しくGA4タグが設定されているか確認しましょう。また、Googleタグマネージャーを利用している場合には、タグとして設定しているGA4タグに誤りがないかチェックします。

除外フィルタがかかっていないかチェック

コンバージョン設定、GA4タグに誤りがないにもかかわらずコンバージョンが計測されない場合には、除外フィルタにかかっている可能性が考えられます。例えば、特定のIPアドレスやWebブラウザからのアクセスを除外する、という設定があるため注意が必要です。

GA4の「管理」→「データストリーム」→「（対象を選択）」→Googleタグの「タグ設定を行う」→「設定（すべて表示）」から除外するIPアドレスや参照元を指定できるため、こちらを確認してみましょう。

また、「Google Analyticsオプトアウトアドオン」などのアドオンを使用していて計測されていない可能性も考えられます。そのため、ブラウザをシークレットモードで利用したり、異なるブラウザを使ったりして確認してみましょう。

設定からすぐは反映されない場合もある

GA4のイベント設定などはすぐに行えますが、実際に反映されるまでには時間がかかります。早ければ数時間ほどで計測されるようになりますが、1日程度かかると思っておいたほうがよいでしょう。実際に設定が有効になっているかどうかはレポートのリアルタイムで確認しておき、計測自体は翌日以降に確認するようにしましょう。

まとめ

GA4はUAから計測方法が変わり、コンバージョンの考え方や設定方法も変わっています。しかし、2023年には完全に移行する必要があり、UAからの移行ツールも用意されているため早めに対応することをおすすめします。

GA4でのコンバージョン設定は、はじめは戸惑うことも多いかもしれませんが、一つずつ見ていけばそんなに難しいものではありません。この記事の内容を参考に、GA4やGoogleタグマネージャーを使ってコンバージョン設定をしてみましょう。

GA4（Google アナリティクス4）のコンバージョンの基本！設定・解析方法、計測されない場合の対処法まで

GA4（Googleアナリティクス4）とは？