
Googleアナリティクス4(GA4)で、詳細な分析を行う際に欠かせない機能が「セグメント」です。Webサイトを訪れるユーザーがどのようなアクセス・行動を行っているのか、という点を詳細に分析することができます。セグメントを上手に使いこなすことができれば、初心者アナリストの卒業といえるでしょう。
この記事では、GA4のセグメントの基礎知識から、実際の作成方法やおすすめの作成例を紹介します。
目次
GA4のセグメント機能とは
GA4のセグメント機能とは、取得したデータを特定の条件で絞り込むための機能です。GA4ではデータを参照するためのレポート機能として、「レポート」と「探索」の2種類が存在します。そのなかで、セグメントは「探索」でしか利用できません。
より柔軟で詳細な分析を実現できる「探索」のなかで、多くのデータの中から特定の条件で絞り込み、必要な情報を取り出したり、比較したりする際にセグメントは利用されます。
参照GA4(Google アナリティクス 4)の探索とは?設定方法や使用する際の注意点
セグメントはタイプが3種類
セグメントは大きく3つのタイプ(単位)が存在します。
ユーザー・セッション・イベントのそれぞれの単位で絞り込みができると考えるとわかりやすいでしょう。抽出したいデータの内容によって、選ぶべきタイプは異なります。その理由は、どのタイプを選ぶかによって抽出結果が大きく変わるからです。
セグメントのタイプが違うと、取得できるデータも違う
例えば、あるユーザーが次のような行動を行った場合のセグメントのタイプによる違いを見ていきましょう。
- 1回目の訪問時:ページ1→2→3
- 2回目の訪問時:ページ3→購入
このようなデータの場合、GA4には5つのイベントとして送付されます。そのなかから、「購入に至った」ユーザー・セッション・イベントのどのセグメントを選ぶかによって、次のように抽出されるイベントが異なります。
- ユーザーセグメント:すべてのイベントが該当(購入に至ったユーザーは全て同じであるため)
- セッションセグメント:2回目の訪問時のイベントが該当(購入に至ったセッションは2回目であるため)
- イベントセグメント:購入のイベントが該当(購入に至ったイベントは「購入」であるため)
このように、どのセグメントのタイプを選ぶかによって結果は大きく異なります。各タイプを選ぶ際の例としては、次のようなものが挙げられます。
- ユーザーセグメント:条件に該当するユーザー全体の動きが見たい場合など
- セッションセグメント:条件に該当するその他の行動も見たい場合など
- イベントセグメント:条件に該当する件数を数えたい場合など
セグメントを利用する際は、最終的にどのようなデータを抽出したいのかを明確にすることで、最適なタイプを選ぶことが可能です。
GA4における特殊なセグメント
セグメントのタイプは3種類ですが、その他にも特殊なセグメントやテンプレート化されたセグメントが存在します。
シーケンスセグメント
シーケンスセグメントはユーザーセグメントでのみ利用可能な設定です。各セグメントの設定は、AND/OR条件で複数指定することができますが、シーケンスセグメントは「順番」を条件として指定できます。
ユーザーセグメントの作成画面から、「シーケンスを追加」をクリックするとシーケンスが作成可能です。
シーケンスもAND/OR条件で複数の条件を指定できますが、重要となる点は各ステップのつながりです。「シーケンス1の条件を満たしたあとに、シーケンス2の条件を満たしたデータ」というような設定が行なえます。
例えば、「商品ページ」から「カート」に移動したユーザーのデータを絞り込む場合、「商品ページへのアクセス」がステップ1、次いで「カートページへのアクセス」がステップ2となります。このとき、ステップ2以降では「間接的ステップ」と「直接的ステップ」が選択できます。
- 間接的ステップ:ステップ間に他のイベントが入っていてもOK
- 直接的ステップ:ステップ間に他のイベント入っているとNG
ページスクロールなどのイベントも計測されるため、基本的には間接的ステップを使うことが多くなるでしょう。
テンプレート化されたセグメント(おすすめセグメント)
ユーザー・セッション・イベントセグメントは、カスタムセグメントの作成として用意されたタイプです。一からセグメントを作成せずとも、「おすすめのセグメント」としていくつかセグメントのテンプレートが用意されています。
これらのテンプレートをもとに条件を修正して利用することも可能です。
GA4でのセグメントの作成方法
GA4でセグメントを作成する際の基本的な流れを、作成方法として簡単に解説します。
1.「探索」→(探索レポートの作成)→「セグメントの+マーク」からセグメントの作成画面に移動
※探索レポートは分析したいデータの内容によって選択してください
2.セグメントのタイプを選択
3.「新しい条件を追加」から条件を選択
4.「フィルタを追加」から絞り込む内容を追加
5.必要に応じて、条件・条件グループ・除外するグループの追加を行う
6.セグメント名を入力し、保存する
7.作成されたセグメントがレポートに適用された状態で表示される
※「タブの設定」のセグメント欄でセグメントのつけ外しが可能です。
GA4のおすすめのセグメント作成例
実際にセグメントを作成しようとすると、あまりの条件の多さにどんな条件を選択するべきかわからない、という方も多いのではないでしょうか。そのため、ここでは利用頻度の高いおすすめのセグメントの作成例をいくつか紹介します。
特定ページの閲覧
特定ページを閲覧した場合のデータを抽出したい場合に利用できるセグメントの例です。選択する条件(ディメンション)としては、次のようなものが挙げられます。
- ページタイトルとスクリーンクラス
- ページタイトルとスクリーン名
- ページロケーション
- ページパス+クエリ文字とスクリーンクラス
- ページパスとスクリーンクラス
- ホスト名
以下の例は「ページタイトルとスクリーンクラス」に「クラウド」を含み、「ページロケーション」に「document」を含む条件のセグメントです。しかし、この場合、同時に条件を満たすデータが存在しません。
ページロケーションの条件で「いずれかの時点で」にチェックを入れると結果が変わります。
特定コンバージョンやイベントの発生
事前にコンバージョンなどのカスタムイベントを設定しておき、それをセグメントの条件にすることも可能です。問い合わせや購入などのコンバージョンの分析を行いたい場合などに活用できます。
GA4におけるコンバージョンについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので併せてご覧ください。
参照GA4(Google アナリティクス4)のコンバージョンの基本!設定・解析方法、計測されない場合の対処法まで
特定の流入元
ユーザーの流入元を条件として指定することも可能です。条件(ディメンション)には「トラフィックソース」から「セッションスコープ」「ユーザースコープ」でそれぞれ次のような項目で指定できます。
- 最初の参照元
- 最初の参照元/メディア
- 最初の手動キーワード
- 最初のキャンペーン
- 最初のメディア
- Google広告のネットワークタイプ
- Google広告クエリ
など
以下は、「ユーザーの最初の参照元/メディア」として、フィルタ「yahoo/organic」を選択した場合の例です。
まとめ
GA4のセグメント機能は、取得したデータを特定の条件で絞り込むための機能であり、詳細なアクセス分析には欠かせない機能です。セグメントを利用する際には、ユーザー・セッション・イベントの3つのタイプが存在し、同じ条件でもそれぞれの結果が異なる点は覚えておきましょう。
3つのタイプの違いを理解し、分析するデータの対象や目的を明確にすることで、あなたが求めるデータの抽出が行えるようになるでしょう。この記事ではおすすめのセグメントの作成例も解説していますので、参考にしながらカスタマイズしてセグメントへの理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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