マジカルナンバーとは、アメリカの心理学者であるジョージ・ミラー教授が発表した論文において、人間の短期記憶の容量は7±2個のチャンクと発表された数値「マジカルナンバー7」のことであり、または、その他も「マジカルナンバー4」という数値もあります。後者は2001年にネルソン・コーワン教授が発表した論文で、短期記憶の容量限界は「3〜5個のチャンク」としたものであり、その数値が現在は定説となっていると言われています。
これらの数値についてどちらが正しいのか?またその数値のWEBマーケティングへの活用方法などを整理しましたので、ぜひマジカルナンバーを理解する上での参考としていただければと思います。
マジカルナンバーとは
マジカルナンバーとは、人間の「短期記憶」に関しての原則を示すキーワードのことです。
そのような短期記憶の原則的な数値として、ジョージ・ミラー教授が1952年に発表した論文によると人間の短期記憶の容量は7個前後(7±2個)まで覚えられると書かれています。しかしその7の基準は日常的な物事に限定されます。
その発表以降もマジカルナンバーについては研究が進められ、2001年にはネルソン・コーワン教授が「4±1」という数値を発表しています。
これらの数値はどちらが正しいのか?などの観点では、「7±2」は日常的に触れる物事についての短期記憶で、初めて触れるような物事については「4±1」と考えておくと良いかと思いますが、これには個人差があるかと思います。
短期記憶とは
記憶の種類には「感覚記憶」「長期記憶」「短期記憶」がある中で、最も保持期間が短い記憶のことで、その保持期間は数十秒程度と言われています。また保持時間だけではなく、一度に保持される情報の容量の大きさにも限界があることが特徴とされています。
チャンクとチャンク化
チャンクとは、ジョージ・ミラー教授が提唱したグループ分けのことです。
「マジックナンバー」ですと1チャンクですが、
「マジック・ナンバー」というようにグループ分けをしたものは2チャンクとカウントします。
チャンク化による数字の記憶術は、長い数字の羅列をいくつかの塊に分割して、グループ毎にまとめて記憶する方法です。
例えば電話番号などが良い例です。
下記の「例1」のように数字を羅列しただけのものですとなかなか覚えにくくはないでしょうか?
そこで、同じ番号でも下記のようにグループ分けした方が覚えやすい印象になるかと思います。
このように一定のグループに分けることを「チャンク化」と言いいます。
チャンク化することで、見やすくなり、覚えやすくなります。
郵便番号などもそうですね。
7チャンク:2778519
2チャンク:277-8519
上記のような分け方をすると、記憶にも残りやすい印象がわかるかと思います。
これまでに利用されてきた2種類のマジカルナンバー
これまでお話しさせていただいたように、マジカルナンバーにはこれまで2種類の数値が提唱されてきました。それは「7±2」と「4±1」の2種類になります。
マジカルナンバー7±2とは
マジカルナンバー7(7±2)は、ジョージ・ミラー教授によって1952年に発表された論文で提唱されたもので、「マジカルナンバー7」として知られていますが、論文内では7個前後として指定されており、マジカルナンバー7±2と表記するのが正式といえるでしょう。
1952年に発表されたとされているこの理論により多くの学問分野に活用されました。論文内で示された記憶可能な7個は、7つのチャンクという意味になります。人間の短期記憶における容量は7個前後と言われています。
マジカルナンバー4±1とは
マジカルナンバー4(4±1)は、ネルソン・コーワン教授の論文によって提唱されました。ジョージ・ミラー教授によるマジカルナンバー7±2の発表から約50年たった2001年に発表されています。マジカルナンバー4±1は、簡略化して「マジカルナンバー4」として知られています。
このような歴史的な経緯から、現在は「マジカルナンバー4」が定説とされています。
マジカルナンバーのWEBマーケティングへの活用
ここまでお話しさせていただきましたように、マジカルナンバーは、人間の短期記憶の容量の限界を、具体的な数値をもって示したものです。
マジカルナンバーの理論が発表されたことにより、人間は短期記憶に関する理解を深め、その応用を考えるようになりました。そのような活用は日常にも潜んでいるもので、例えば先述したように「電話番号」や「郵便番号」など記憶しやすいようにチャンク化されています。
その他の活用例として最もわかりやすいのが、グローバルメニューです。
例えば下記のようなサイト構成のWEBサイトを構築するとします。
上記のような構成の各ページを、グローバルメニューに全て並べると下記[CASE 1]ようになります。
このように全14ページがグローバルメニューに並ぶと、どこにどのようなメニューがあるのか、一目では判断しにくい状況になってしまうのが伝わるかと思います。
このような際にマジカルナンバー4」を意識してナビゲーションを構成すると下記[CASE 2]のようになります。
いかがでしょうか?このようなメニューだと見やすくなり、一目で自分が見たいページへ移動しやすいのがわかります。
このようにマジカルナンバーを意識して情報提示の数を絞り込むと、とても見やすくなります。
グローバルメニューの活用はとてもわかりやすいですね。
まとめ
このように、マジカルナンバーを意識して情報を整理するだけでとても見やすいサイト構築が可能になります。
全ての情報がマジカルナンバーを意識するべきものかどうかは、その都度判断が必要になりますが、当ページで紹介したグローバルナビゲーション以外にも情報の数をまとめたりすることで、ユーザビリティも良いサイトになりますので、ぜひこの数値を意識してサイト構築を考えると良いでしょう。
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