消費行動を考え、販売戦略を練るのはどんなビジネスでも行うべき事でですが、実際自分の商品がどのように消費行動の中で消化されていくのかは考えにくいものです。
今回はショッピングサイトにおける消費パターンを「すぐ買う商品」「検討中商品」と二つに分けた後、「指名買い型」「専門モール型」「単品リピート型」「総合モール型」の4つのモデルに当てはめ、どのように商品を売って行くべきなのか、まで説明していきます。
この記事を読む事によって、あなたのショッピングサイトのどこを改善して行けば良いのかを理解していただければと思います。
1.「すぐ買う商品」と「検討中商品」
今回ここで2種類に分別している理由は、より具体的に消費者の行動パターンを理解するためです。
「すぐ買う商品」は、これが欲しいと消費者が商品を特定している場合を指します。例えば、「ハンバーガー食べたい」「ポテトが食べたい」と物を限定している場合です。
一方、「検討中商品」は、「お腹空いた」という状態の事を指します。その違いで、消費者の行動は変わってきます。
インターネットで検索する場合、
「ハンバーガー食べたい」→「ハンバーガー」と検索する。=すぐ買う商品
「お腹空いた」→明確でない、模索している状態。=検討中商品
違う例で考えてみます。
A子さんとB子さんは、友達にプレゼントを贈ろうと考えています。
A子さんは、プレゼントはお菓子と決めていて、ゴディバのチョコレートと決めています。この場合獲得したい対象が明確なので、”すぐ買う商品”となりますね。迷わずゴディバのチョコを調べて購入するでしょう。
一方、B子さんは、プレゼントが何が良いのか決めていません。とりあえず「プレゼント」「喜ぶ」などと検索してどういったプレゼントが良いのか検討します。これが”検討中商品”です。
”すぐ買う商品”=すでに購入意欲が高い
”検討中商品”=購入意欲を高めさせる必要がある
と言ってもいいです。つまり、売りやすいのはもちろん”すぐ買う商品”となるわけです。
2-1.すぐ買う商品
すぐ買う商品の中には、「このブランドのこれ!」とまで購入意欲が高まっている物もあります。これはもう売るのは簡単で、誘導もしやすく、購入まで結びつけやすいです。商品名を特定して検索エンジン広告を出すような、リスティング広告がここでは効果があります。
ただし、そのことは他の競合も知っています。そうなれば必然と価格競争が行わる事になり、消費者はよりやすい商品、納期が早い商品、ポイントがつき割引があるサイトを求めるようになります。
ここで戦おうと思ったら、自分より大きな企業などが参入してない事をまず確認しましょう。物を売る場合には価格を自由に下げられる直営店などが参入していないキーワードを選びましょう。
- 価格競争になり易い
- メーカー直営が強い
- リスティング広告やディスプレイ広告が向いている
※リスティング広告、ディスプレイ広告とは、検索結果に表示される有料の広告枠のことです。詳しく知りたい方は、こちら。
→ショッピングサイトの効果的なネット広告手法4種類
2-2.検討中商品
検討中商品の場合、検索時点ではまだ強い購買意欲な無いので、自分のニーズに合いそうな商品を選定しています。
検索結果に現れたサイトを訪問して、そこで商品に好意が持てれば購買意欲が高まります。なので、サイトの中身を充実させる事がキーポイントになってきます。なのでコンテンツマーケティングが向いています。
- サイトを訪問してから、購買意欲を高められるかが勝負
- 広告よりもコンテンツが大事
※コンテンツマーケティングについて詳しく知りたい方はこちら、
→コンテンツマーケティング記事まとめ
2.「検討中商品」から購入に繋げる
上記にあるように検討中商品はコンテンツのブラッシュアップが不可欠です。
検討中の消費者は、「何が足り無いか」は良くわかっています。しかし「何が必要か」まではしらないです。
つまり、「あなたの足りない欲求を満たすにはこれが必要!!」と伝える必要があります。先のプレゼントの例で説明すると、
プレゼント選びに悩むB子さんに対して、
「もうすぐバレンタインデーですよ?女子同士でチョコレートをプレゼントする方が最近増えてますよ」
などと提案をする事が考えられます。
その提案が訪問者のニーズに合えば、同じような商品でも「ニーズと一致している」という理解が進み、購入してもらえます。
- 価格だけでなく、商品の価値を多角的に伝える
- 商品の写真を多く載せる
- お客様の声を載せる
- 付加価値情報を載せる
など、「このサイトはわかりやすい」「このサイトは信頼できそう」などと思ってもらう必要があります。
3.ショッピングサイトの4つのマーケティングモデル
ネットショップでは商品の種類によってサイト訪問者の消費行動が大きく異なります。
上記の”すぐ買う商品”と”検討中商品”の2つと商品の種類の多さを組み合わせ、4つのグループに商品を分類したものを紹介します。
あなたの商品はどこに当てはまるでしょうか?
当てはまったグループに向いているマーケティングの方法を見ていきましょう。
3-1.指名買い型
購買意欲の高い人を検索エンジンから誘導して、求めている商品をまっすぐに提示します。
- SEOに力を入れる
- 安さと即日対応
まずSEOを強くするのは絶対的に大事です。消費者は他の商品とあまり比べたりしないので、検索上位にあるほど優位です。
キーワードが絞り込まれるので、激戦区です。
リスティング広告はとても向いていますが、人気キーワードとなるので資金力が必要です。
3-2.単品リピート型
メーカーの自社商品販売や、専門小売店などがここに入ります。(化粧品・健康食品・石鹸・など)
”検討商品”から”すぐ買う商品”へ購買意欲を上げていく施策を取る必要があります。二回目以降のリピータはスムーズに進みやすいので、初めて来た消費者にどれだけ対策を練れるかが勝負です。
コンテンツ力を高めて、類似商品を販売する競合との違いを見せましょう。
- 初めて来た購入者向け対策が重要
- サイトのコンテンツやデザインを工夫する
具体的な施策としては
- お試し商品の販売
- おまけをつける
- メルマガ・ステップメール(メールマーケティング)を使う
※メールマーケティングについて詳しく知りたい方はこちら、
→メールマーケティング記事まとめ
3-3.専門モール型
このグループはAmazonをイメージして頂くと分かりやすいと思います。
”すぐ買う商品”が多いので、初めての消費者も問題なく買ってくれます。買った商品と違うカテゴリーのリピート客がポイントとなってきます。
そしてAmazonのように、「このサイトで本を検索すれば必ず欲しい物が見つかる」といったように1ジャンルで圧倒的に商品を取り揃えると良いでしょう。
- サイトリピート客を増やす
- ジャンル商品の充実
具体的な施策としては
- 大量の商品に合わせた多くのページ制作(CMSの使用)
- 配送時間の短縮
- クロスセルで他ジャンルへの誘発
※クロスセルについて詳しく知りたい方はこちら、
→利益を拡大する!メールを使ったアップセル、ダウンセル、クロスセルとは?(例文つき)
3-4.総合モール型
このグループはファッションやフードなどで、欲しい商品を明確に定義しにくく、一度買ってもリピート購入に繋がりにくいです。
楽天やYahooなどの総合モールサイトに商品を出品する事をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
消費者は商品の価値を理解し、分析、比較しますのでシビアな商売になることは間違いないです。商品を見てもらってからどれだけ”すぐ買う商品”に持っていけるかが勝負です。
- コンテンツ制作
- コンテンツ制作におけるコストを管理
価格競争には限界がありますので、とにかくコンテンツで勝負に出るしかありません。
1つの商品に対し簡単なスペックだけでなく、商品価値を知ってもらえるデザインも内容も良いコンテンツを作る必要があります。
※コンテンツマーケティングについて詳しく知りたい方はこちら、
→コンテンツマーケティング記事まとめ
まとめ
ショッピングサイトで商品を売るときに、商品別にどこに力を入れるべきか分かっていただけたでしょうか?
これからのショッピングサイトがどこに参入し、どこで戦えばいいのかも分かってきますね。
価格だけでなく、サイトの使いやすさや、コンテンツの充実度などの純粋なマーケティングで参入できるグルールも存在します。自分の商品がどこに位置するのかをしっかりと吟味した上で、売り上げアップの施策を行っていきましょう。
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