Canonical(カノニカル)タグとは? SEOにおける重要性と正しい設定方法

あなたはウェブサイトを運営していて、「同じ内容のページが複数存在してしまう」という問題に直面したことはありませんか? 例えば、ECサイトの商品ページや、ブログ記事のアーカイブページなどです。このような重複コンテンツは、SEOの評価を下げてしまう可能性があります。

そこで重要となるのが、「Canonical(カノニカル)タグ」です。Canonicalタグとは、ウェブサイト内に同じ内容や似た内容のページが複数存在する場合に、検索エンジンに「このページは、このページのコピーです」と伝え、評価を集中させるための特別なHTMLタグのことです。

この記事では、SEOにおけるCanonicalタグの基本的な役割から、なぜ重要なのか、そして正しい設定方法と注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。サイトの評価を分散させずに、検索順位を向上させるためのヒントを見つけていきましょう。

Canonical(カノニカル)タグとは

Canonical(カノニカル)タグは、重複コンテンツの問題を解決し、SEOの評価を最適化するために使われるタグです。

Canonicalタグの基本的な役割

Canonicalタグは、HTMLの<head>セクションに記述する特別なタグで、以下のような役割を果たします。

  • 重複コンテンツの評価分散を防ぐ: 検索エンジンは、内容が似ている複数のページをクロールした際に、どのページを「正規のページ」(代表的なページ)として評価すべきか判断に迷うことがあります。Canonicalタグを使うことで、評価を集中させたいページを検索エンジンに明確に伝えることができます。
  • クローラーのリソースを節約する: 重複コンテンツのクロールにリソースを無駄に消費するのではなく、正規のページにクロールバジェット(クロールに割り当てるリソース)を集中させることができます。
  • 検索順位の安定: 評価が分散するのを防ぐことで、正規のページの検索順位が安定し、向上しやすくなります。

Canonicalタグと301リダイレクトの違い

Canonicalタグと似た役割を持つのが、301リダイレクトです。両者は重複コンテンツの扱いを最適化するために使われますが、その性質は異なります。

  • Canonicalタグ:
    • 目的: ページを存続させたいが、検索エンジンには正規のページを評価してほしい場合に設定します。
    • ユーザーの挙動: ユーザーは元のURLのページにアクセスできます。
    • 使いどころ: ECサイトで色違いの商品ページがある場合や、URLパラメータで内容が変わらないページがある場合など。
  • 301リダイレクト:
    • 目的: ページを完全に閉鎖し、別のページに恒久的に移行させたい場合に設定します。
    • ユーザーの挙動: ユーザーは元のURLにアクセスすると、自動的に新しいURLに転送されます。
    • 使いどころ: ページのURLを変更した場合や、サイトリニューアルでページを統合した場合など。

両者の大きな違いは、ページを存続させるかどうかです。

Canonicalタグの正しい設定方法

Canonicalタグは、正しい場所に、正しい形式で記述することが重要です。

設定の基本

Canonicalタグは、重複コンテンツページの<head>セクション内に、以下の形式で記述します。

HTML

<link rel="canonical" href="https://example.com/canonical-page/" />
  • rel="canonical": 「このページは、Canonicalタグで指定されたURLの正規ページです」ということを検索エンジンに伝えます。
  • href="https://example.com/canonical-page/": 正規ページとして評価してもらいたいページのURLを指定します。

Canonicalタグ設定時のポイント

  • 絶対パスで記述する: hrefには、必ずhttps://から始まる絶対パスでURLを記述しましょう。相対パスで記述すると、検索エンジンがURLを正しく認識できない場合があります。
  • すべての重複ページに設定する: 複数の重複ページがある場合、それぞれのページにCanonicalタグを記述し、正規のページを一つに指定しましょう。
  • 自己参照Canonical: 正規のページ自体にも、そのページのURLをCanonicalタグとして記述することが推奨されています。これにより、そのページが正規のページであることを明確に伝えることができます。
  • HTTPS/HTTPの統一: サイト全体がHTTPSで統一されている場合は、CanonicalタグのURLもHTTPSで記述しましょう。

Canonicalタグ設定時の注意点

Canonicalタグは、設定を誤ると、SEOの評価に悪影響を及ぼす可能性があります。以下の点に注意しましょう。

1. 関連性の低いページに設定しない

Canonicalタグは、内容が完全に一致するか、非常に類似しているページにのみ設定すべきです。

  • 問題: 内容が全く異なるページにCanonicalタグを設定すると、検索エンジンが混乱し、サイト全体の評価が下がる可能性があります。
  • : ブログ記事Aとブログ記事Bが全く違う内容なのに、記事Bに「記事Aが正規ページです」と設定してしまうと、記事Bはインデックスされなくなります。

2. 正規ページにCanonicalタグを設定しない

Canonicalタグは、あくまで重複ページから正規ページへ評価を集中させるためのものです。

  • 問題: 正規ページにCanonicalタグを設定すると、検索エンジンがどのページを評価すべきか混乱し、評価が分散してしまう可能性があります。

3. Canonicalタグとnoindexタグを併用しない

Canonicalタグnoindexタグを同じページに併用するのは避けましょう。

  • noindexタグ: 「このページは検索結果に表示しないでください」と検索エンジンに伝えます。
  • Canonicalタグ: 「このページは評価をここに集中させてください」と伝えます。
  • 問題: 検索エンジンにとって、この2つの指示は矛盾しているため、どちらの指示を優先すべきか判断できなくなります。その結果、意図した通りの効果が得られない可能性があります。

まとめ

Canonicalタグは、ウェブサイトの重複コンテンツ問題を解決し、SEOの評価を最適化するための重要なHTMLタグです。

Canonicalタグを正しく設定することで、評価が分散するのを防ぎ、重要なページの検索順位を安定させ、向上させることができます。また、301リダイレクトとは異なり、ページ自体を存続させたい場合に有効です。

あなたのサイトに重複コンテンツが存在する場合は、この記事でご紹介した設定方法と注意点を参考に、Canonicalタグを正しく活用し、サイトのSEOパフォーマンスを改善していきましょう。